第18回大学改革シンポジウム『社会変革を担う人を育てる大学教育』を開催（11/1）

2019.11.11

お知らせ

国立大学協会は、11月1日（金）、学術総合センター一橋講堂において、第18回大学改革シンポジウム『社会変革を担う人を育てる大学教育』を開催しました。

本シンポジウムは、本年4月22日に「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」においてまとめられた「中間とりまとめと共同提言」の課題と今後の取組について議論するため「社会変革を担う人を育てる大学教育」をテーマに講演及びパネルディスカッションを行い、大学関係者をはじめ高校関係者、受験産業関係者、マスコミなど、120名が参加しました。

今回の企画にあたっては、講師として就職問題懇談会座長の山口宏樹氏（埼玉大学長）に、パネルディスカッションにおけるパネリストとして国立大学の就職支援センター教職員の大橋祐之氏（福井大学学務部キャリア支援課長）、山下啓二氏（名古屋工業大学学長特別補佐（キャリア教育推進担当）キャリアサポートオフィス長）、坂入信也氏（岡山大学高大接続・学生支援センター副センター長）、私立大学の就職担当の小林宣子氏（明治大学就職キャリア支援部就職キャリア支援事務長）に参加いただきました。また、総合司会を東京大学農学部4年生の加藤亜美さんにお願いしたほか、コメンテーターとして産業界から大脇耕司氏（東京中小企業家同友会副代表理事共同求人委員長、株式会社ソアーシステム代表取締役社長）、採用や就職活動の問題を取材されてきたジャーナリストの加藤裕則氏（朝日新聞社経済部記者）をお迎えしました。

はじめに、本協会の山本健慈専務理事から開会挨拶があり、「今回のシンポジウムでは、就職・採用のルールにとどまらず、今後の人材を育てるためにどのように大学が役割を果たしていくかを議論していきたい。日本の大学改革は当事者である学生の参加が少ないのが現状であるが、今回は、東京大学新聞社や筑波大学新聞の学生記者からの学生を代表する立場として発言をお願いしている。学生当事者の意見も踏まえながら実りあるものになることを願っている。」と語りました。

続いて山口氏による講演では、大学と社会がどのように協力して未来社会の人材を育てるかを大きなテーマとして経団連と大学側での検討が進んでいる中で、この検討の全体像を報告いただきました。

また、東京大学新聞社及び筑波大学新聞の学生記者からは、「3年生の夏からのインターンに参加し1年以上も就職活動にかかる学生もいるが、採用選考の長期化、学業への圧迫を避けられるのか。」「インターンに参加して選考スケジュールや選考方法等の情報を初めて知らされることが問題ではないか。」「採用選考の長期化により、地方から都市部への就職を希望する学生に対しての費用面での支援が整っていないのではないか。」「企業と大学に関する協議会等に学生のメンバーがおらず、現場の声が届いているのかが疑問である。」などの発言がありました。

最後に、総合司会の加藤さんが、「まだまだ多くの課題点があるが、これから先、就職というキャリア選択における最初の大きな決断の前に、このシンポジウムを通して今一度自分を見つめなおす機会を得ることができました。また、学生のうちに様々な経験をして自分の能力を高めること、新しい採用や就職の形にしっかりアンテナを張っていくことが今まで以上に大切になってくると感じました。」との感想を述べ閉会いたしました。

参加者からは、「各大学の多様な取り組みを聞くことができ、学生が意見を言える場だったことが良かった。」「大学と社会の橋渡しを中心に考えた「育てる」の課題が深まった。」などのコメントが寄せられました。

【講演】
○「採用と大学教育の過去、現在、そして未来」
山口　宏樹（就職問題懇談会座長、埼玉大学長）

【パネルディスカッション】
○コーディネーター
山本　健慈（国立大学協会専務理事）
○パネリスト
大橋　祐之（福井大学学務部キャリア支援課長）
山下　啓司（名古屋工業大学学長特別補佐（キャリア教育推進担当）キャリアサポートオフィス長）
坂入　信也（岡山大学高大接続・学生支援センター副センター長）
小林　宣子（明治大学就職キャリア支援部就職キャリア支援事務長）
○コメンテーター
大脇　耕司（東京中小企業家同友会副代表理事共同求人委員長、株式会社ソアーシステム代表取締役社長）
加藤　裕則（朝日新聞社経済部記者）

【総合司会】
加藤　亜美（東京大学農学部4年）

総合司会の加藤　亜美（東京大学農学部4年）