(4) UCTS(UMAP単位互換方式)の普及
(4) UCTS(UMAP単位互換方式)の普及
The UMAP単位互換方式(UCTS: UMAP Credit Transfer Scheme)(以下「UCTS」という。)とは、欧州諸国の学生交流事業(ERASMUS: European Region Action Scheme for the Mobility of University Students)における欧州単位互換制度(ECTS: European Credit Transfer System)をモデルにしたもので、1999年(平成11年)よりUMAP事業の下、アジア太平洋諸国間の学生交流を促進するために奨励してきた単位互換のための換算方式です。しかし、欧州型の換算方法は、アジアの単位数を欧州のシステムに変換し、またアジアの単位制度に戻すというプロセスを踏むため、手続きを複雑にしていたので、2013年5月に開催されたUMAP国際理事会により、新たな概念が導入されることとなりました。これにより多くのUMAP参加国並びに参加大学間では、1単位は1単位で単位互換できるようになりました。
Q1. 新たなUCTSの概念とは何か?
2013年(平成25年)より新たに導入されたUCTSの具体的な概念は以下のとおりです。
1UCTS=38~48学修時間数とする。また、その学修時間数には、13~16時間の授業時間数(academic hour)が含まれる。
Q2. UCTSの目的とは?
UCTSとは、UMAP参加大学の個々の単位制度の違いを統一されたポイント制度に換算し直すことで、異なる単位制度間の実際の違いが明確に把握でき、公平な単位互換が実施できる一つの換算方法の概念です。そして、それは、アジア太平洋諸国間の学生交流事業を発展させ、単位・成績の互換を促進することを目的に開発されたものです。
Q3. UCTSを活用する利点は?
- 事務処理の迅速化:
一定の換算システムに基づいたUCTSを活用することにより、特にアジア太平洋諸国間の単位互換は、多くの場合1単位は1単位で単位互換できるようになり、学生交流が急激に増加しても、事務手続きが簡素化できます。また、今まで対応してこなかった国や制度の異なる海外の大学との単位互換であっても、単位の換算に活用でき、一定の事務手続きは簡素化できます。 - 単位互換の公平性の向上:
UCTSによって相手校の単位制度についてより具体的に理解することができるようになり、単位互換がより公平に行われます。 - 信頼関係の構築:
最後にもっとも重要なことは、UCTSをシステマチックに活用することにより、協定大学間に信頼関係が生まれ、より質の高い学生交流が促進できることです。
Q4. UCTSと世界の単位制度との換算はどうなっているのか?
UCTS1単位と様々な国や地域の単位(互換)制度との換算は次の表のとおりです。
国/地域 | UCTS | アジア | 米国 | 欧州(ECTS) ※ | 英国(CATS) ※※ |
---|---|---|---|---|---|
単位換算 | 1UCTS | 1単位 | 1単位 | 1.5ECTS | 3単位 |
学修量 | 38-48時間 | 38-48時間 | 45時間 | 37.5-45時間 | ECTSから換算 |
授業時間 | 13-16時間 | 13-16時間 | 15時間 | —— | —— |
※ECTS-欧州単位互換制度(European Credit Transfer System)
※※英国の3単位は高等教育質保証機構(QAA: Quality Assurance Agency for Higher Education)が説明している英国とECTSとの単位換算原則(2008年)に基づく。この原則は英国で単位累積互換制度(CATS: Credit Accumulation and Transfer Scheme)を利用するすべての高等教育機関に対し効力を有する。
※新たなUCTSの詳細については、以下の資料を参照ください。