大学評価の進め方に関する要望

平成12年9月20日
国立大学協会会長
 蓮 實  重 彦
第8常置委員会委員長
 松  尾   稔

 国立大学における教育・研究活動および社会貢献の高度化・活性化は,国立大学の責務で あることはいうまでもありません。そのために第三者による大学評価が重要な役割を果たすべきであり,そうした見地から,国立大学協会としてもこれまで,大学評価・学位授与機構に,大きな期待をもつとともに,その設立については積極的な意見を申し述べてきました。

 もちろん大学評価・学位授与機構の本質は,厳正な評価の実施であり,その具体的な評価そのものの過程に,評価される側である国立大学が意見を申し述べるべきものではないことはいうまでもありません。大学評価・学位授与機構はあくまで独立した機関であり,国立大学との間に緊張した関係が成立していることが厳正な評価につながることは当然であります。しかし他面で第三者による評価は,大学独自の自己評価と有機的に組み合わされてこそ,真に有効なものとなることは,大学評価機関の創設準備委員会報告の強調するところでもあります。こうした観点からは,大学評価・学位授与機構の行う大学評価について,その方法,対象の設定などに関し,大学側と十分な意思疎通が不可欠であると考えます。そうした意味で大学評価・学位授与機構と国立大学との間の関係は,一方的なものであってはなりません。

 しかるに,貴機構の設置以来,上記の基本的な点についての配慮が必ずしも十分ではなく,本協会の遺憾とするところであります。国立大学の活性化にむかって実効ある大学評価とするために,今後本協会と貴機構は,互いに自主・自律性を維持しつつ,必要十分な情報及び意見交換がなしうるよう要望します。

(要望先:大学評価・学位授与機構長)