2021 Taiwan-Japan University Presidents’ Virtual Forum “Moving Forward: Taiwan-Japan Academic Collaboration in the New Era Experiencing the Global Pandemic”を開催

 

 

 国公私立大学団体国際交流担当委員長協議会(JACUIE)は2021年11月18日に、台湾高等教育国際合作基金会(FICHET)との共催で、学長等による国際会議「2021 Taiwan-Japan University Presidents’ Virtual Forum “Moving Forward: Taiwan-Japan Academic Collaboration in the New Era Experiencing the Global Pandemic”」をオンラインで開催しました。

 JACUIEは2016年度にFICHETとの間で交流協定を締結しており、本事業は、同年度に台南で、2018年度に広島で開催された交流事業に続くもので、今回は、コロナ禍を経験したこれからの時代において、如何に日台の高等教育機関の連携を推進するかを念頭に、オンラインにより開催に至ったものです。日本側は国公私立大学を包含する枠組みで開催され、日台合わせて116大学の学長・副学長等132名が参加し、意見交換と情報共有を行いました。

 会議は、テクニカルホストを務めたFICHETの進行により進められました。
 まず、開会挨拶では、台北駐日経済文化代表処のFrank CT Hsieh代表、日本台湾交流協会の泉裕泰台北事務所代表、台湾教育部のNicole Yen-Yi Lee司長から、日台の高等教育機関間の強い連携に言及した挨拶に続き、牛木辰男JACUIE座長(新潟大学長)から、本会議のテーマは、各大学が現在直面している課題と、パンデミックの時代を超えた高等教育と国際協力の新局面に向けた実践的な行動について、共通の理解を得ることができるものであり、意義深い会議となる旨が述べられました。

 続いて、記念写真撮影が行われた後、2つのセッションが開始されました。
 まず、セッション1では「COVID-19を契機とする、新時代における大学のレジリエンス構築」として、Neng-Shu Yang国立雲林科技大学長の司会進行の下、松村明茨城県立医療大学長からは、コロナ禍で一時中断した高雄医学大学との学生交流プログラムを新たにオンラインで構築することで再開を果たした事例を中心に、また、安井利一明海大学長からはパンデミックの中でも学びを維持するための学生への支援や、コロナをきっかけとした教育改革の取組等を中心に、それぞれ事例発表が行われました。台湾側からは、Albert Wei-Min Tang天主教輔仁大学国際教育長(急遽欠席となったHan-Sun Chiang学長の代理)及びHan-Chieh Chao国立東華大学長からの事例発表が行われました。続いて全体での議論が行われ、オンライン教育における学修評価の方法や、現在進んでいる教育のDXが仮想空間を活用した「メタバース」教育へさらに移行していくことの可能性や課題が論点として挙げられました。
 続くセッション2では「大学の社会的責任とサステナビリティの達成に向けた日台連携」として、櫻井克年高知大学長のモデレートの下、槇野博史岡山大学長からはSDGsの観点を取り入れた大学運営の取組を中心に、森下哲朗上智大学副学長からはサステナビリティ推進に向けた「学生職員」を雇用しての取組を中心に、それぞれ事例発表がありました。台湾側からはHuey-Jen Su国立成功大学長(FICHET会長)及びDong-Sing Wuu国立曁南国際大学長からの事例発表が行われた後、全体での議論が行われ、USR(大学の社会的責任)やSDGsに係る学生への啓発の方法・重要性が指摘され、また地方における人材育成の取組や地方創生に向けた日台大学によるプラットフォーム発足の事例が提示されるなど、両セッションともに活発な議論が行われました。

 閉会挨拶では、谷岡一郎JACUIE副座長(大阪商業大学長)から、本会議はCOVID-19の危機の中で各大学が経験してきた事項を共有するとともに、日台の大学システムについて活発に議論する機会となり、非常に有意義であったことに加え、近く対面開催がかなうことへの期待が述べられました。
 また、Huey-Jen Su FICHET会長からは、日台の高等教育連携の歴史に言及しつつ、SDGs、USR、産学連携の強化といった新たなトピックに対しても、大学の積極的な関与が求められること、また日台それぞれの機関が地域の強みや経験を踏まえて、より団結を強めることにより、世界的な課題にも対処できる旨が述べられ、困難の中でも今回のような形で参加者が集結したことの意義が強調されました。

 終了後は、JACUIE及びFICHETの幹部間懇談が行われ、本会議の振り返りに加え、次回以降の交流事業について話し合われ、今後も交流を継続していくことが確認されました。

 

 


 


            牛木辰男JACUIE座長による開会挨拶                          松村明茨城県立医療大学長による事例発表
 

 


              安井利一明海大学長による事例発表                          モデレーターを務めた櫻井克年高知大学長
 

 


               槇野博史岡山大学長による事例発表                          森下哲朗上智大学副学長による事例発表
 

 


            谷岡一郎JACUIE副座長による閉会挨拶                       Huey-Jen Su FICHET会長による閉会挨拶
 

 

 

 

【参考】

【事例発表資料(掲載可のもののみ)】
 
   セッション1
        ・茨城県立医療大学(PDF:648 KB)
        ・明海大学(PDF:639 KB)
        ・国立東華大学(PDF:3,716 KB)
 
   セッション2
        ・岡山大学(PDF:1,688 KB)
        ・上智大学(PDF:396 KB)
        ・国立曁南国際大学(PDF:2,957 KB)