企画員からのメッセージ 「平成24年度 国立大学法人等若手職員勉強会 Chance Challenge Change! ~ 考えよう!あなたと組織の未来 ~」に込めた思い
平成24年度 国立大学法人等若手職員勉強会 企画員一同
1.はじめに
平成24年12月13日(木)・14日(金)の両日に開催された「平成24年度 国立大学法人等若手職員勉強会」に参加された皆さまにおかれては、事前レポート、勉強会当日のディスカッションや発表、事後のブラッシュアップに至るまで積極的に取り組んでいただきありがとうございました。また、参加者を快く送り出してくださいました各機関の皆さまにも、改めて厚く御礼を申し上げます。
さて、この勉強会は、「国立大学等の継続的な発展に貢献する若手職員の力量向上」を趣旨として、一般社団法人国立大学協会の主催により開催されましたが、その具体的なテーマやプログラムの企画は、「企画員」と呼ばれる、過去の若手職員勉強会に参加経験のある全国の国立大学法人等の若手職員10名が行いました。
ここでは、勉強会のテーマやプログラムに触れながら、私たち企画員が勉強会に込めた思いをお伝えしたいと思います。
2.どのような勉強会にしたかったか
企画員が初めて顔を合わせた第1回目の打ち合わせでは、それぞれが自分自身の経験などを踏まえながら、「どのような勉強会にしたいか」に重点を置き、自由に話し合う場を設けました。その中で、徐々に、「Chance Challenge Changeを意識できるような場にしよう」ということ、そして「参加者自身だけではなく、自身と組織の未来を関連づけて考える場にしよう」という2つのコアとなる考え方が見えてきました。これが「Chance Challenge Change! 考えよう!あなたと組織の未来」というこの勉強会のテーマに繋がっていきます。
3.Chance Challenge Change!
1点目の「Chance Challenge Changeを意識できるような場にしよう」については、既に多くの方が様々なことに日々チャレンジし、自分や組織をチェンジしていく場面に立ち会っているかと思います。また、チャレンジすること、チェンジすることに、大きなパワーが必要なことも実感されていることでしょう。この勉強会においても、現実と理想のギャップを埋める企画を考えることを通して、自分で動くことや周りを巻き込むこと、変えることに、大きなパワーが必要なことを改めて感じられたかと思います。
しかし、もっと根本的なこと――すなわち、「自分の目の前で起きていることに対して、『これはチャンスだ!』と思えること」――こaaそが、実は最も難しく、また大切なことではないでしょうか。
この勉強会の中でも、現実と理想のギャップについて議論しながら、自分に必要なもの、足りないものに気づいた方や、あるいは他機関の職員と情報交換したり、イントロダクションや基調講演において豊富な経験を持つ先輩職員の話を聞いたりする中で、チャンスに気づくこと、チャンスを掴むことの難しさや大切さを感じた方もいらっしゃったかと思います。
また、それだけではなく、例えば司会をやる、発表する、質問する、知らない人に話しかける…など、「チャンス」と思って取り組んでほしい場面を、この勉強会のプログラムにはたくさん盛り込んでいたのですが、みなさんにおかれてはいかがだったでしょうか。
理想に向かって積極的にチャレンジできる人は、たくさんのことを「自分にとってのチャンスだ!」と思える人だと思います。自分に足りないスキルに気づいたとき、新しい職場に配属されたとき、責任の重い大変そうな仕事を任されたとき(あるいは、この勉強会に参加してきなさいと所属機関から言われたときも含めて…)、「これはチャンスだ!」と思えるかどうか――これがチャレンジやチェンジへの道を拓くカギだと思います。
改めて振り返ってみると、普段の業務においてもチャンスの「種」は至るところに転がっているはずです。あとはみなさんがチャンスだと思えるかどうか、チャンスだと気づけるかどうかにかかっています。「嫌だな」とか「面倒くさいな」とかいうネガティブな気持ちは、実はチャンスのサインかもしれません。
今回の勉強会が、そんなチャンスの「種」を意識するきっかけになれば、企画員一同嬉しく思います。
4.考えよう!あなたと組織の未来
2点目の「参加者自身だけではなく、自身と組織の未来を関連づけて考える場にしよう」については、特に、みなさん自身が所属する組織を意識してほしいというねらいがありました。
事前レポートでは、「国立大学法人化後の現状と課題について(中間まとめ)」をはじめとした国からの提言等を課題文とし、国立大学法人等にどのようなことが求められていると思ったか、それを所属機関はどのように実現しようとしているか、などについて意見をまとめていただきました。
また、当日のディスカッションでは、自分たちの機関や自分たち一人ひとりに何が求められているのかを考えながら、あるべき姿や、その姿に近づくためにできることは何かを考え、企画を練っていただきました。
その意図は、みなさんに、決して勉強会の場だけで終わることのない実のある企画を考えていただくことにありました。当事者意識を持って、所属する組織の未来を見ることがなければ、現実と理想のギャップを見出し、理想に向かって私たちにできることを考えていっても、議論は空疎になってしまいます。「私たちの所属する組織に何が求められているのか」、「私たちの理想を組織の中でどのように実現していくのか」を意識してこそ、地に足の着いた議論となるはずです。
また、この勉強会では「いつまでに、何を、どうやって実施・達成するのか」、「実施・達成を実感できる判断基準はあるか」、そして「私たち自身がどのように携わっていくのか」という視点を持つことを、強く明示していきました。これも、時期や内容に基準をもたせることによって、私たちにできることを具現化し、実現性の度合いを高めようとしたものです。
その結果、今回の勉強会では、実際に機関に戻ってから取り組める企画がみなさんの手によって創りあげられたと思いますし、その後のブラッシュアップも含めて、大きな成果が上げられたのではないかと感じています。
5.さいごに
この勉強会は、国立大学協会、そして参加者が所属する各機関の支援と協力のもとで行われています。参加者のみなさんの積極的なチャレンジにより、この勉強会は成功裡に終えることができましたが、この成果を個人にとどめておいたり、日々の業務に埋没させたりすることなく、何らかの形で組織に還元していただくことを、企画員一同心から願っています。
みなさん一人ひとりが、実際に勉強会で気づき、得たことをチャンスとして、是非、所属機関において新たなことにチャレンジし、自分をチェンジし、仲間や職場をチェンジする、そしてまた次のチャンスを見出すというサイクルを循環させてください。職場や組織へのフィードバックには、もちろん「報告会」等の成果の共有という形もあると思いますが、それだけでなく、実際に仲間や職場を「チェンジする」ことで還元してください。それが、この勉強会の最終的な開催趣旨である「国立大学等の継続的な発展に貢献する若手職員の力量向上」にも繋がるのだと思います。
最後になりましたが、この勉強会のように、全国の国立大学法人等の若手職員が一堂に会する機会というのは、滅多にありません。きっと、この勉強会において、新たな交流があり、たくさんの気づきがあり、参加してみて、みなさん自身の世界が拡がったのではないかと思います。また、他機関の職員と情報交換したり、イントロダクションや基調講演を聞いたりして、モチベーションが上がったり、勇気づけられたりした人も多いのではないかと思います。どうかその気持ちを大切に、そして何より、みなさまにとってこの勉強会が、チャンス・チャレンジ・チェンジを意識し、組織と自分の未来について具体的に考えたりするきっかけとなれば、企画員一同、望外の喜びです。