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日英交流事業UK-Japan Higher Education Forumを開催(12/8)

お知らせ

国大協は、2022年12月8日に、英国大学協会(Universities UK)との共催で、両国の大学の副学長級及び実務者を対象とした、オンラインフォーラム”UK-Japan Higher Education Forum”を開催しました。

本フォーラムへは、日本側から30大学53名、英国側から31大学52名が参加し、「研究インテグリティを含む研究政策」及び「研究協力とその機会」をテーマに活発な議論が行われました。

まず、開会の言葉として牛木辰男国大協国際交流委員長(新潟大学長)からは、参加者及び登壇者への深い謝意が述べられるとともに、これまでの両団体の交流の経緯を振り返りつつ、国大協が研究インテグリティに係る声明を発出したことを踏まえ、本フォーラムが課題への共通認識醸成のための有意義な機会となることへの期待が述べられました。

続いてセッション1では、東北大学の佐々木孝彦副理事(研究公正担当)から、Initiatives of Tohoku University to ensure research integrityと題して、東北大学における研究インテグリティ確保の体制整備に係る取組の発表がありました。目下、英国の大学においても同様の対応が求められている中であり、英国側大学からも質問が挙がり、関心の高さが示されました。

また、Professor Eric Brunner, Professor of Social and Biological Epidemiology, Institute of Epidemiology & Health, University College London (UCL)からは、認知症の予防、治療等分野での大阪大学とUCLの連携の実績に加え、連携の成功の方策が示されました。

続くセッション2では、金沢大学の福森義宏ナノ生命科学研究所副研究所長から、The achievements of cooperation of NanoLSI with researchers and institutions in the UKと題して、WPIプログラム採択を受けて設立された金沢大学ナノ生命科学研究所(NanoLSI)による英国ICLとの連携の実績や独自のアウトリーチプログラムによる頭脳循環等について紹介がありました。

また、Professor Konstantinos Kontis, FAIAA, FRAeS, FIMechE, CEng, Mechan Chair of Engineering, Professor of Aerospace Engineering, Dean for Global Engagement – East Asia & China (External Relations), University of Glasgowからは、既存の連携やパートナーシップを発展させ、学術、ビジネス、公共部門との新たな機会を創出することにより、世界を牽引・変革しインパクトの高いエンゲージメントを実現するというビジョンに基づいた、九州大学とグラスゴー大学の連携、王立学会とJSPSの大阪工業大学との連携等を例に、日英間の学際的連携の紹介がありました。

さらに、関係機関からのスピーカーとして、文部科学省の波羅仁科学技術・学術政策局参事官(国際戦略担当)付企画官からは、文科省、JSPS、JST、AMEDによる支援、交流状況等、日英間の科技イノベーション連携の全体像が説明されました。

Mr. Matt Knowles, Director of British Council Japanからは、10周年を迎えるRENKEI日英大学間連携プログラムの最新情報についての情報提供とともに、日英のモビリティの現況が紹介され、英国のビザ発給がコロナ前に近く回復していることや、日英の連携は量としては多くはないものの、非常に上質であることなどが述べられました。

Ms. Marie-Louise Taylor, Counsellor, Science and Innovation, SIN Office, British Embassy Tokyoからは、SIN Japanの取組と、日英間の交流は質が高いが伸長の余地があることや、UK japan joint committeeを活用した等のR&Dの協働の枠組みなどが紹介されました。

なお、各セッションの後半及び自由参加のバーチャルネットワーキングではブレークアウトディスカッションも行われ、より議論が深められました。

閉会の言葉として、位田隆一国大協専務理事(元滋賀大学長)からは、全発表者・参加者の貢献へ謝意が表されるとともに、本フォーラムを通じて両国間の研究協力の好事例や支援の枠組みが共有できたことが言及され、日英間の長年の研究協力の経験に基づき国際研究協力の精神やビジョンを持つべきであり、本フォーラムがより実りの大きな国際研究協力を実現していくための転機となる旨が述べられました。

今後も、英国との国際交流がさらに活発になることが期待されており、国大協としても、英国大学協会等と協力し、交流拡大に向けた取組を進めていきます。

 


日本側大学発表資料: